MENU

外壁塗料の種類は3つ!性能の違いや選び方を徹底解説

外壁塗り替えを検討する際、ウレタン・シリコン・フッ素という塗料の種類に悩む方は多いでしょう。

業者によって推奨される塗料が異なり、価格や耐久性などの違いがわかりにくいのが現状です。

本記事では、これら3種類の外壁塗料の特徴や違いを徹底比較し、耐久性や価格などの観点から、住宅環境や予算に最適な塗料を選ぶポイントを解説します。

塗料選びで失敗しないための業者の見極め方や見積もり比較のコツも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

外壁塗料の種類と比較|ウレタン・シリコン・フッ素塗料の特徴と違い

外壁塗装で使用される代表的な塗料は、ウレタン・シリコン・フッ素の3種類です。

これらは耐久性、価格、機能性などでそれぞれ特徴が異なります。

塗料選びは住宅の保護性能や美観維持、そして長期的なコストに大きく影響するため、その違いを正しく理解するのが重要です。

この章では、各塗料の基本的な特性と性能の違いを解説します。

・ウレタン塗料の特徴と性能
・シリコン塗料の特徴と性能
・フッ素塗料の特徴と性能

それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

ウレタン塗料の特徴と性能

ウレタン塗料は、3種類の中で最も手頃な価格で導入できる塗料です。

施工費用は㎡あたり約900〜1,500円と比較的安く、初期費用を抑えたい方には向いています。

耐用年数は約5〜8年と短めですが、防水性と密着性に優れており、さまざまな下地材に対応できる点が特徴です。

一方で、紫外線の影響を受けやすく、経年劣化によって塗膜が粉状になるチョーキング現象が発生しやすいという欠点があります。

そのため、こまめにメンテナンスを行い、定期的な塗り替えに関する計画的な実施が必要です。

スクロールできます
メリットデメリット
初期費用が安く、コストを抑えられる紫外線に弱く、劣化しやすい性質がある
防水性と密着性に優れており、さまざまな下地材に対応経年劣化によりチョーキング現象が起こりやすい
カラーバリエーションが豊富で、デザインの自由度が高い耐用年数が短く、塗り替え頻度が多くなる

数年以内に売却や建て替えを考えている場合には、コストを抑えつつ外壁をきれいに保てます。

また、色のバリエーションが豊富なため、外観デザインにこだわりたい方にも適した選択肢です。

シリコン塗料の特徴と性能

シリコン塗料は、コストパフォーマンスの高さから現在最も広く使われている外壁塗料です。

施工費用は㎡あたり約1,200〜2,000円で、耐用年数は約10〜13年と中程度の耐久性を持っています。

特に防水性と耐候性に優れており、紫外線や雨による劣化に強く、汚れも付きにくい点が特徴です。

また、柔軟性があるため、外壁の小さなひび割れにも対応できます。

最近では「ラジカル制御型シリコン」のように、性能をさらに高めた製品も増え、より長持ちする塗料として注目されています。

価格と性能のバランスが良いため、多くの住宅で採用されており、一般的な住宅環境であれば安心して選べる塗料です。

スクロールできます
メリットデメリット
初期費用と性能のバランスが良いウレタンより価格がやや高めになる
紫外線や雨に強く、汚れがつきにくいフッ素塗料ほどの耐久性はない
柔軟性があり、外壁の微細なひび割れにも対応できるメンテナンスフリーではなく、一定期間の塗り替えが必要になる

シリコン塗料は、費用を抑えながらも耐久性や性能を重視したい方におすすめします。

長く住む予定があり、適度なメンテナンスをしながら住宅を守りたい方には特に適しているといえるでしょう。

フッ素塗料の特徴と性能

フッ素塗料は、3種類の塗料の中で最も高性能かつ高価格な塗料です。

施工費用は㎡あたり約2,000〜3,000円と高めですが、耐用年数は約15〜20年と非常に長寿命である特徴があります。

耐候性と耐汚染性・撥水性に優れており、過酷な環境でも塗膜が劣化しにくく、美しい外観を長く保つことができます。

初期費用はかかるものの、塗り替え回数を減らせるため、長期的に見れば経済的な選択肢です。

資産価値を維持したい住宅や、海沿いなど厳しい環境にある住宅には特に適しています。

スクロールできます
メリットデメリット
耐用年数が非常に長い初期費用が高い
紫外線や酸性雨に強く、塗膜が劣化しにくい製品によっては塗装に専門技術が必要になる場合がある
優れた撥水性と低汚染性により、汚れが付着しにくい他2つに比べてカラーバリエーションが限られることがある

フッ素塗料は、長く住み続ける予定があり、メンテナンス回数を減らしたい方におすすめです。

高級住宅や海沿いなど厳しい環境に建つ住宅では、優れた耐久性と耐候性が活きてきます。

長期的に住宅の資産価値を維持したい方には、経済的にもメリットです。

目的別・環境別の最適な塗料選び

外壁塗料の選択は、予算や住宅環境、重視する性能によって最適解が変わります。

短期的なコスト削減を優先するのか、長期的な耐久性を重視するのか、あるいは住宅の立地環境に合わせるのかによって、選ぶべき塗料は異なるのです。

ここでは、あなたの状況や優先事項に合わせた塗料選びのポイントを解説します。

・予算重視の場合の選び方
・耐久性重視の場合の選び方
・地域・気候条件による最適な選択
・住宅の構造や素材に適した塗料

状況に応じた最適な選択で、後悔のない外壁塗装を実現しましょう。

予算重視の場合の選び方

予算を最優先する場合、初期費用の低いウレタン塗料が有力な選択肢となります。

以下の表は予算重視の場合の選択肢と特徴をまとめたものです。

スクロールできます
塗料種類初期費用戸建て※おすすめポイント注意点
ウレタン塗料60〜100万円最安価で導入可能
選色の自由度が高い
耐用年数が短い
早期メンテナンスが必要
ハイブリッドウレタン70〜110万円標準ウレタンより耐久性向上
コスト抑制と性能向上の両立
メーカーによる品質差が大きい
スタンダードシリコン80〜120万円ウレタンより耐久性が高い
長期的にはコスト効率が良い
初期費用がやや高い
※初期費用 戸建て(全体約120㎡想定・塗料代+施工費+足場代等の総額)

単に最安値の塗料を選ぶだけでは、早期劣化によって結果的に高コストになる可能性もあります。

予算内で最大の性能を得るには、「ハイブリッドウレタン」や「高性能ウレタン」などの上位グレード製品を検討するのも一つの方法です。

これらは標準的なウレタン塗料より耐久性が向上しており、価格も従来のウレタンとシリコンの中間程度に収まります。

当面の出費を抑えつつ、将来のメンテナンスコストも考慮したバランスの良い選択をしましょう。

耐久性重視の場合の選び方

耐久性を最重視する場合、フッ素塗料が最も適した選択肢です。

以下の表で、耐久性重視の選択肢を比較してみましょう。

スクロールできます
塗料種類耐用年数特徴適している条件
ラジカル制御型
シリコン
12〜15年フッ素に近い耐久性
フッ素より価格抑制
耐久性とコストのバランス重視
フッソ塗料15〜20年最高レベルの耐候性
長期的な美観維持能力
資産価値維持重視
長期居住予定
海沿いの住宅
無機塗料20年以上最長の耐用年数
高い耐候性・防火性
超長期の耐久性が必要
防火性能も重視

ラジカル制御型シリコン塗料は近年各メーカーでも力をいれており、耐久性が向上しフッ素塗料に近い性能を持ちながら価格はフッ素より抑えられる商品です。

フッ素塗料は、メーカーやグレードによって性能差があり、有名メーカーの最上位グレードのフッ素塗料は20年以上の耐久性を持つものもあります。

費用対効果を最大化するには、実績のあるメーカー品を選んで施工実績の豊富な業者に依頼することが重要です。

地域・気候条件による最適な選択

住宅の立地環境は塗料選びの重要な判断基準です。

以下の表は地域・環境条件別の最適な塗料選択をまとめました。

スクロールできます
地域・環境最適な塗料理由特に注意すべきポイント
海沿い(塩害地域)フッ素塗料
シリコン塗料(高耐候)
塩分による腐食に強い
耐候性が高い
定期的な洗浄メンテナンス
破損箇所の早期補修
都市部(排気ガス多)フッ素塗料
シリコン塗料(低汚染)
汚れ付着防止
酸性雨への耐性
耐汚染性能の高いグレード選択
セルフクリーニング機能
山間部・湿度高地域シリコン塗料(防カビ)
光触媒塗料
防カビ・防藻性能
結露対策
換気・断熱対策との併用
防カビ性能の持続性確認
日射量の多い地域遮熱塗料
フッ素塗料
紫外線劣化防止
熱の反射・断熱性
色選びも重要(明色系推奨)
南面の保護を特に注意

各環境下で特にシリコン塗料を選択する場合は、適した機能(高耐候・低汚染・防カビなど)が表記してある商品を選択しましょう。

日射量の多い地域では、太陽光による外壁劣化や室内温度上昇を防ぐため、遮熱塗料やフッ素塗料が最適です。

遮熱塗料は熱の反射・断熱性に優れ、フッ素塗料は紫外線劣化を防止します。

特に南面は太陽光を最も受けるため、明色系の色を選ぶことで保護効果を高めらるでしょう。

住宅の構造や素材に適した塗料

住宅の外壁素材によって、適した塗料は異なります。

以下の表で素材別の最適な塗料を確認しましょう。

スクロールできます
外壁の種類最適な塗料理由施工時の注意
モルタル外壁シリコン塗料
ウレタン塗料
(共に弾性タイプ)
柔軟性があり微細なひび割れに対応
密着性が良い
ひび割れの事前補修
下地の中性化チェック
サイディング外壁シリコン塗料
フッ素塗料
耐候性が高く長持ち
サイディングの保護性能維持
目地部分の処理を丁寧に
必要に応じてシーリング交換
築年数の古い住宅ウレタン塗料
シリコン塗料(弾性タイプ)
下地との密着性が高い
クラックへの追従性
丁寧な下地処理が特に重要
古い塗膜の除去

モルタル外壁の場合はひび割れが発生しやすいため、共に弾性タイプが適しています。

特に窯業系サイディングは製造時に塗装済みが多いため、再塗装では高い耐久性を持つ塗料の選択がサイディング本来の性能を維持するのに重要です。

また、クリヤー塗料(透明塗料)を使用すると、既存のデザインを活かせます。

塗料選びで失敗しないためのポイント

外壁塗料選びは、単に種類を決めるだけでなく、業者の選定や見積もりの比較、塗装工程の管理など複合的な要素が関わってきます。

最適な塗料を選んでも、施工品質が悪ければ期待した性能は発揮されません。

ここでは、塗料の性能を最大限に引き出し、失敗しない外壁塗装を実現するためのポイントを解説します。

・業者の提案を見極めるチェックポイント
・塗装見積もりの比較方法
・長期的なコストパフォーマンスの4つのポイント

それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

業者の提案を見極めるチェックポイント

信頼できる業者の見極め方として、まず塗料の説明が詳細で明確かどうかをチェックしましょう。

各塗料の特徴やメリット・デメリットを隠さず説明し、あなたの住宅環境に合わせた提案をする業者は信頼できる可能性が高いです。

また、特定の塗料だけを強く推す業者には注意してください。

複数の選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットを比較説明する業者の方が誠実といえます。

さらに、過去の施工例や経年変化の写真を見せてもらったり、実際に塗装した物件を紹介してもらえたりする業者は信頼性が高いです。

最後に、塗装後の不具合対応や定期点検サービスを提供している業者は、長期的な関係を築ける可能性があります。

見積書の内容も詳細で、使用塗料や施工内容が明確に記載されているかも重要なチェックポイントです。

塗装見積もりの比較方法

外壁塗装の見積もりを比較する際は、単に総額だけでなく、項目ごとの内訳を詳細に確認するのが重要です。

特に塗料のグレードや使用量、付帯部分の塗装範囲、下地処理の内容などを比較しましょう。

見積もり書に記載すべき重要項目
  • 使用塗料の正確な商品名(メーカー名・商品名・グレード)
  • 施工範囲の明確な記載と塗料の使用量(缶数や㎡あたりの使用量)
  • 下地処理の詳細な内容
  • 足場の仕様
  • 保証内容

複数の業者から見積もりを取る際は、同じ条件で比較できるよう、使用塗料や施工範囲を統一して依頼することがポイントです。

極端に安い見積もりには塗料の希釈率が高い・下地処理が不十分・使用する塗料量が少ないなどの理由が隠れている可能性があるため注意しましょう。

長期的なコストパフォーマンスの4つのポイント

外壁塗装の真のコストパフォーマンスは、初期費用だけでなく長期的な視点で考えるのが重要です。

長期的なコストを計算する際の4つポイント挙げます。

①塗料の初期費用
②耐用年数と塗り替え回数
③塗り替え時の足場代や下地処理費用
④メンテナンスコスト

例えば、30年間で計算すると、ウレタン塗料は約4回、シリコン塗料は約2〜3回、フッ素塗料は約1〜2回の塗り替えが必要になりその度、足場代や下地処理費用も加算されます。

また、住宅の使用予定期間も考慮しましょう。

10年以内に売却予定がある場合は、ウレタンやシリコンでも十分かもしれません。

長期居住を予定している場合はフッ素塗料やラジカル制御型シリコン塗料の方がトータルコストで有利になる可能性が高いです。

外壁塗装の一般的な施工プロセスと工期

外壁塗装工事は一般的に以下のようなプロセスで進みます。下表は一般的な戸建て住宅(外壁面積約120㎡)を想定した工程と日数です。

スクロールできます
施工段階内容所要日数の目安
足場設置建物の周囲に安全な作業環境を確保するための足場を組む1〜2日
高圧洗浄外壁の汚れやコケ、古い塗膜の浮きを落とす1日
下地処理クラックの補修、劣化部分の修復、シーリングの打ち替えなどを行う2〜3日
養生作業塗料が付着しないよう、窓やドアなどを保護する1日
下塗り塗料の密着性を高めるために下塗り剤を塗布する1日
中塗り・上塗り本塗装(塗料の種類によって回数が変わる場合あり)2〜3日
完了検査・清掃仕上がりを確認し、周辺を清掃する1日
足場解体設置した足場を撤去する1日

全体の工期は、約10〜14日程度が目安ですが、天候不良や建物の状態、施工面積などによって変動します。

特に雨天の場合は作業ができないため、余裕を持ったスケジュール設定が必要です。

塗料の種類によって乾燥時間や塗布回数に違いがあり、工期に影響する場合もあります。

例えば、2液型の塗料は乾燥時間が長くなる傾向です。

業者と打ち合わせる際には、具体的な工程と期間について確認しておくとよいでしょう。

外壁塗料選びに関するよくある質問

外壁塗料選びでは、塗料の種類だけでなく特殊な塗料やグレードや新しい技術についても気になる方が多いです。

私も以前、塗料について説明するたびに種類が多くて戸惑った経験があります。

外壁塗料選びに関するよくある質問は、次の2つです。

各質問について、順番に見ていきましょう。

塗料のグレードや等級による違いはある?

同じ種類の塗料でも、メーカーによって複数のグレードが設定されています。

グレードによる主な違いは、樹脂の純度や配合率・添加剤の質と量・顔料の品質などです。

高グレード品は樹脂の含有率が高く、高品質な添加剤を使用しているため、耐久性や機能性が向上します。価格差は平米あたり200〜500円程度ですが、性能差は明確に現れます。

選び方のポイントとしては、住環境や求める性能に応じた選択が重要です。

同じグレード表記でもメーカーによって品質差があるため、実績や評判を参考にするのも大切です。

「ラジカル制御型」や「ハイブリッド」など新しい塗料との違いは?

近年では、従来の塗料の弱点をカバーした新しいタイプの塗料が登場しています。

ラジカル制御型塗料は、紫外線による塗膜の劣化を抑える技術で、通常のシリコン塗料よりも約1.5倍長持ちします。

価格はシリコンとフッ素の中間くらいで、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。

ハイブリッド塗料は、異なる塗料の良いとこ取りをしたものになります。

例えば、シリコンウレタン塗料ならコストを抑えつつ耐候性も確保でき、フッ素ハイブリッドなら純フッ素より安く、高い耐久性が期待できます。

これらの塗料は、予算と性能のバランスを重視する方にぴったりです。

まとめ

ウレタン塗料は初期費用を抑えたい方に、シリコン塗料はコストと性能のバランスを重視する方に適しています。

フッ素塗料は耐久性と資産価値の維持を考える方におすすめです。

都市部なら低汚染性のシリコンや新技術の塗料が効果的です。

最適な塗料は住まいの環境や予算・重視する性能によって異なるので、信頼できる業者と相談しながらあなたの家に最適な塗料を選びましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次